定義配賦とは、どの製品・部門・案件にいくらかかったかを直接把握できない間接費(共通費)を、一定の配賦基準で各対象に割り当てること。配賦基準作業時間・人数・売上高・床面積など、その費用の発生実態に近い基準を選ぶ。基準の選び方で各対象の損益が変わる。注意一度決めた配賦基準は頻繁に変えない。変えると期間比較ができなくなり、部門別・案件別損益が意思決定に使えなくなる。
配賦とは — 間接費を基準で割り当てること
配賦とは、どの製品・部門・案件にいくらかかったかを直接ひもづけられない費用(間接費・共通費)を、一定の基準で各対象に割り当てることです。たとえば工場全体の電気代や、複数事業を支える本社管理部門の人件費は、どの対象のためにいくら発生したかを直接は把握できません。そこで作業時間や人数といった配賦基準を定め、その割合で各対象に振り分けます。
配賦は、部門別・案件別の損益を出すときに必ず登場します。とくに人件費や共通費の配賦は、部門別・案件別損益の精度を最も大きく左右する部分です。
なぜ重要か/よくある誤解
よくある誤解は、配賦をいきなり精緻にしようとすることです。完璧な配賦よりも、まず限界利益や売上総利益を粗く分け、運用しながら精度を上げる方が続きます。
もう一つの重要な注意点は、一度決めた配賦基準を頻繁に変えないことです。配賦基準を変えると各対象の損益が動くため、期間どうしの比較ができなくなり、せっかくの部門別・案件別損益が意思決定に使えなくなります。基準は実態に合わせて選び、いったん決めたら継続して使います。
配賦基準の例
| 配賦する費用 | よく使う配賦基準 |
|---|---|
| 間接人件費(管理・共通部門) | 直接作業時間・工数・人数 |
| 家賃・地代 | 使用床面積 |
| 共通システム費・通信費 | 利用者数・利用量 |
| 本社費(共通固定費) | 売上高比・直接費比 |
基準は「その費用が、なぜ・どの対象のために発生しているか」に最も近いものを選びます。原価計算基準も、間接費は一定の配賦基準で各対象に割り当てると定めています。
自社に実装するには
配賦を実務に乗せる鍵は、費用ごとに『どの基準で割り当てるか』を決め、その基準を一貫して使うことです。とくに兼務者の人件費や本社費は、配賦基準の設計が損益の見え方を大きく変えます。どの業務がどの費用・対象に紐づくかは業務棚卸しで洗い出し、配賦の設計につなげます。配賦の具体的な決め方は、別ガイドで手順化しています。
配賦基準の設計は、部門別・案件別損益の精度を左右します。無料診断で、自社の配賦の起点になる論点を洗い出せます。
よくある質問
配賦とは何ですか?
配賦基準はどう選べばよいですか?
配賦をやりすぎると何が問題ですか?
関連用語・ガイド
- 用語: 貢献利益とは / 限界利益とは / 固変分解とは
- ガイド: 人件費・共通費の配賦の決め方 / 業務棚卸しのやり方
- 業種別: 受託・制作の「案件別利益が見えない」を直す
- サービス: AI管理会計ビルダーとは