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部門別損益とは

部門別損益とは、売上と費用を部門(事業部・店舗・チーム)ごとに集計して採算を見ること。原価計算の部門別計算、共通費の配賦ルール、撤退判断に使う部門貢献利益の考え方を具体例で解説。全産業の黒字企業割合は53.9%で、全社黒字でも赤字部門が混ざりやすい。

この記事の要点AI / AEO 最適化
  • 定義部門別損益とは、売上と費用を部門(事業部・店舗・チーム)ごとに集計して採算を見ること。会社全体の損益だけでは見えない「どの部門が稼ぎ、どこが足を引っ張るか」を切り分けられる。
  • 計算式部門別損益=部門売上−部門個別費用−配賦された共通費。原価計算では部門別計算(第二次の計算)として、共通費を配賦基準で各部門へ割り当てる。
  • 目安全産業の黒字企業割合は53.9%(TKC経営指標 令和7年版)。会社全体でも黒字は約半数で、部門単位ではさらにばらつく。全社黒字でも赤字部門が混ざることは珍しくない。

部門別損益とは — 部門ごとに採算を切り分ける

部門別損益とは、売上と費用を部門(事業部・店舗・チームなど)ごとに集計して、部門単位の採算を見ることです。会社全体の損益計算書だけでは、どの部門が稼ぎ、どこが足を引っ張っているかは見えません。部門で分けて初めて、伸ばすべき部門と立て直すべき部門が切り分けられます。

原価計算では、これを部門別計算(第二次の計算)として扱います。費目別に把握した費用を部門に分類集計し、直接ひもづかない共通費は配賦基準で各部門へ割り当てます。部門別損益=部門売上−部門個別費用−配賦された共通費、という形になります。

TKC経営指標(BAST)令和7年版によると、全産業の黒字企業割合は53.9%です。会社全体でも黒字は約半数という水準で、部門単位ではさらにばらつきます。全社が黒字でも、その内訳には赤字部門が混ざっていることが珍しくない、という前提で部門別損益を読むのが実務的です。

出典原価計算基準(企業会計審議会)

なぜ重要か/よくある誤解

最大の誤解は、全社が黒字なら問題ないと考えることです。全社の黒字は、稼ぐ部門と損する部門の合算にすぎません。部門で分けないと、好調な部門が不調な部門を覆い隠し、手を打つべき場所が見えなくなります。

もう一つの誤解は、配賦後の部門損益が赤字なら閉じるべきだ、という早い判断です。配賦後が赤字でも、共通費を配賦する前の段階(部門貢献利益)が黒字なら、その部門は共通費の回収に貢献しています。やめると共通費が他部門に重くのしかかり、全社の利益がかえって減ることもあります。

計算の段階

段階 見るもの
部門限界利益 部門売上 − 部門の変動費
部門貢献利益 部門限界利益 − その部門固有の固定費
部門営業利益 部門貢献利益 − 配賦された共通費

撤退・継続の判断では、いちばん下の部門営業利益(配賦後)だけでなく、真ん中の部門貢献利益(配賦前)もあわせて見ます。配賦前が黒字か赤字かで、その部門が全社に貢献しているかどうかが変わるからです。

自社に実装するには

部門別損益を実務で使う鍵は、部門の区切り方を決めることと、共通費の配賦ルールを固定することです。部門の単位があいまいだと売上も費用も紐づかず、配賦基準をその都度変えると期間比較ができません。まず採算を見る単位を決め、変動費・固定費を分けて部門に紐づける。この土台づくりは業務棚卸しから始まります。

部門別損益は「部門の区切り方」と「共通費の配賦ルール」が決まると見えはじめます。無料診断で、採算を見る単位と配賦の起点を洗い出せます。

よくある質問

部門別損益と会社全体の損益はどう使い分けますか?
会社全体の損益は「会社が儲かっているか」を、部門別損益は「どこで儲かり、どこで損しているか」を見るために使います。全社の利益が黒字でも、その中身は稼いでいる部門と赤字の部門が混ざっていることが多く、全体の数字だけでは打ち手が決まりません。部門別に分けると、伸ばすべき部門と立て直すべき部門が見え、撤退・継続や資源配分の判断ができます。全社で方向を確認し、部門別で具体的に動く、という関係です。
共通費(本社費など)はどう各部門に割り振りますか?
直接ひもづかない共通費は、配賦基準を決めて各部門に割り当てます(部門別計算)。基準は売上高比、人数、床面積、作業時間などが使われます。ただし、配賦基準を変えると部門の最終損益の黒赤が入れ替わることがあるため、基準は一度決めたら継続して使い、頻繁に変えないことが大切です。撤退の判断などでは、配賦後の最終損益だけでなく、共通費を配賦する前の段階(部門貢献利益)もあわせて見ます。
赤字部門はすぐ閉じるべきですか?
最終損益だけで判断するのは危険です。配賦後の部門損益が赤字でも、その部門が共通費の回収に貢献している(部門貢献利益が黒字の)ことがあります。部門貢献利益とは、部門の限界利益からその部門固有の固定費だけを引いたもので、本社費などの共通費を配賦する前の利益です。これが黒字なら、その部門をやめると共通費が他部門に重くのしかかり、かえって全社の利益が減ることもあります。撤退は、配賦前の貢献と配賦後の損益を分けて見てから判断します。