定義MRR(Monthly Recurring Revenue=月次経常収益)とは、毎月継続して得られるサブスク収益の合計。ARR(Annual Recurring Revenue=年次経常収益)はそれを1年に換算した額で、いずれも継続課金ビジネスの「読める収益」を測る指標。計算式MRR=全顧客の月額課金の合計(年契約は月数で割って月額換算)。ARR=MRR×12。初期費用やコンサル費などの一時収益は含めない。目安金額そのものより伸び方と内訳で読む。新規MRR・拡張MRR・解約MRRに分解し、解約MRRを新規+拡張MRRが上回っているか(純増がプラスか)が継続性の目安になる。
MRR・ARRとは — 毎月/毎年くり返し得られる経常収益
MRR(Monthly Recurring Revenue=月次経常収益)とは、毎月継続して入ってくるサブスク収益の合計です。ARR(Annual Recurring Revenue=年次経常収益)は、そのMRRを1年に換算した額で、ARR=MRR×12で求めます。どちらも「来月・来年もくり返し入ってくると見込める収益」を表すため、継続課金ビジネスにとっては「いま会社にどれだけ読める収益があるか」を示す土台の指標になります。
単発の売上を積み上げる売り切り型と違い、サブスクは契約が続く限り収益が積み上がります。だからこそ、その時点の売上高だけでなく、毎月くり返し発生する部分(経常収益)を切り出して測ることが、事業の実力と将来の見通しを正しくつかむ出発点になります。月単位の細かい動きを見るならMRR、年単位の規模や成長を語るならARR、と使い分けます。
総務省「令和7年版 情報通信白書」によると、企業のクラウドサービス利用は8割を超えて増加傾向が続いています。サブスク型でサービスを提供・利用する事業が一般化したことで、売上を「経常収益(MRR/ARR)」として捉える管理会計の考え方が、SaaS企業に限らず広がっています。
なぜ重要か/よくある誤解
最大の誤解は、一時的な収入までMRR・ARRに混ぜてしまうことです。初期費用や導入セットアップ費、スポットのコンサル費は毎月くり返し発生しないため、MRRには含めません。これらを混ぜると経常収益が実態より大きく見え、来月以降の予測がぶれます。年契約も「契約時に一括計上」ではなく、契約額を契約月数で割って月額に換算してMRRに足すのが基本です。
もう一つは、MRR・ARRの合計額だけを見て安心することです。金額が伸びていても、その裏で解約による減少(解約MRR)が膨らんでいれば、勢いは止まりかけています。MRRは新規MRR・拡張MRR・解約MRRに分解し、新規+拡張が解約を上回って純増がプラスに保てているかで読むのが鉄則です。提唱元のforEntrepreneurs(David Skok)も、経常収益を軸に解約や拡張の動きまで見ることをSaaS指標の中心に据えています。
計算式と具体例
| 項目 | 式 |
|---|---|
| MRR(月次経常収益) | 全顧客の月額課金の合計(年契約は月数で割って月額換算) |
| ARR(年次経常収益) | MRR × 12 |
| 純増MRR | 新規MRR + 拡張MRR − 解約MRR |
たとえば、月額1万円の顧客が80社、月額2万円の顧客が10社いるなら、MRRは80万円+20万円=100万円。ARRは100万円×12=1,200万円です。ここで年額12万円(実質月1万円)の年契約が新たに5社入ったら、年額のまま足さず月1万円×5社=5万円をMRRに加えます。さらに同じ月に既存顧客のアップグレードで拡張MRRが3万円増え、解約で解約MRRが2万円減ったとすると、その月の純増MRRは新規5万円+拡張3万円−解約2万円=+6万円。合計額だけでなく、この純増がプラスに保てているかを見る、という読み方になります。
自社に実装するには
MRR・ARRを実務で使う鍵は、一時収益を除き、新規・拡張・解約に分けて見る設計を最初に決めることです。初期費用やスポット収入を売上から切り分け、年契約を月額換算で揃えて初めて、ぶれない経常収益が見えます。さらに、その経常収益をプラン別・顧客タイプ別に分けて見ると、どの顧客層が解約しやすく、どこで拡張が起きているかまで分かり、施策の優先順位がつきます。この切り分けは、どの収益が継続的でどれが一時的かを洗い出す業務棚卸しから始まります。
MRR・ARRを正しく出すには、一時収益を除き、新規・拡張・解約に分けて見る設計が要ります。無料診断で論点を可視化できます。
よくある質問
MRRとARRはどう違いますか?
MRRに含めてよい収益・含めない収益は何ですか?
MRR・ARRはどのくらいが目安ですか?
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