定義ユニットエコノミクスとは、顧客1人(1単位)あたりの採算性を示す指標。顧客生涯価値(LTV)を顧客獲得コスト(CAC)で割って求め、事業が将来黒字化できるかを測る。計算式ユニットエコノミクス=LTV÷CAC。LTV(顧客生涯価値)は顧客が取引期間中に生む利益、CAC(顧客獲得コスト)は顧客1人を獲得するのにかかった営業・販促費の合計。目安健全とされる目安はLTVがCACの3倍以上(3:1)。これはforEntrepreneurs(David Skok)が提唱した基準。1倍未満は赤字、1〜3倍は要注意、5倍超は投資不足の可能性とされる。
ユニットエコノミクスとは — 顧客1人あたりの採算性
ユニットエコノミクスとは、顧客1人(1単位)あたりの採算性を示す指標です。顧客生涯価値(LTV)を顧客獲得コスト(CAC)で割って求め、「1人の顧客を獲得するのにかけたコストに対して、その顧客が何倍の価値を生むか」を表します。
会社全体のPLでは「広告費をかけて売上は伸びたが、本当に儲かっているのか」が見えにくくなります。ユニットエコノミクスは採算を顧客1人の単位まで分解するため、事業が将来黒字化できるか、どこまで獲得投資を増やしてよいかを判断する出発点になります。SaaSやサブスク、通販など、顧客を継続的に獲得し続けるビジネスでとくに重視されます。
forEntrepreneurs(David Skok)の「SaaS Metrics 2.0」では、健全なSaaS事業の目安としてLTVがCACの3倍以上(3:1)が提唱されています。あわせて、獲得コストを回収するまでの期間(CAC回収期間)も重視すべきとされており、目安の倍率は単独ではなく回収期間とセットで読むのが実務的です。
なぜ重要か/よくある誤解
最大の誤解は、ユニットエコノミクスが3倍を超えていれば安心と考えることです。LTVは「顧客がこれから生む利益」を推計した将来の数字のため、解約率や粗利の前提が崩れると簡単に下振れします。さらに、倍率が良くても獲得コストの回収に何か月もかかれば、その間の資金繰りが苦しくなります。倍率はCAC回収期間とセットで見るのが鉄則です。
もう一つは、CACに入れる費用やLTVの計算方法を曖昧にすることです。CACに営業人件費を含めるか、LTVを粗利ベースで見るか売上ベースで見るかで、数字は大きく変わります。社内で定義を固定しておかないと、月ごとの比較がぶれます。
計算式と具体例
| 項目 | 式 |
|---|---|
| ユニットエコノミクス | LTV ÷ CAC |
| LTV(顧客生涯価値) | 顧客あたり月次粗利 ÷ 月次解約率(サブスクの簡便式) |
| CAC(顧客獲得コスト) | 営業・販促費の合計 ÷ 獲得した顧客数 |
たとえば、ある月の営業・販促費が500万円で新規顧客を50人獲得したなら、CACは10万円です。顧客あたり月次粗利が1万円、月次解約率が3.3%(平均約30か月継続)なら、LTVは約30万円。ユニットエコノミクスは30万円÷10万円=3倍となり、目安の3:1を満たします。あわせてCAC回収期間を見ると、月次粗利1万円でCAC10万円を回収するのに約10か月かかる計算で、目安の12か月以内に収まっている、と読みます。
自社に実装するには
ユニットエコノミクスを実務で使う鍵は、CACに入れる費用とLTVの粗利を正しく切り分けることです。広告費だけでなく営業人件費やツール費まで含めて初めて実態に合ったCACになりますし、LTVは売上ではなく変動費を引いた粗利で見ないと採算を過大評価します。さらに「チャネル別・顧客タイプ別」に分けて見ると、どの獲得経路が効率的かまで分かります。この切り分けは、何にいくらコストがかかっているかを洗い出す業務棚卸しから始まります。
ユニットエコノミクスを正しく出すには、CACに入れる費用とLTVの粗利を正しく切り分ける設計が要ります。無料診断で論点を可視化できます。
よくある質問
ユニットエコノミクスはどう計算しますか?
ユニットエコノミクスはどのくらいが目安ですか?
ユニットエコノミクスとあわせて見るべき指標は何ですか?
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